2016年2月22日月曜日

ポスドクの雇用の不安定性

ポスドクは有期雇用契約者です。多くの場合、1年毎の契約を更新していき、3-4年の間に研究成果を出して、別の研究室に異動しなければなりません。

ポスドクを雇用するための財源は基本的に「外部資金」と呼ばれる、研究室のボスが外部から獲得した資金です。多くの場合、外部資金は3-4年、長くても5年程度しか使えません。従って研究室のボスは、資金の獲得が決まった時点でポスドクを募集し、単年の雇用契約を結び、それを数回繰り返すうちに研究成果を出してもらおうと考えます。普通のボスは契約時に「外部資金で雇用するから多分3-4年間の雇用は大丈夫だと思うけどその後はどうなるか分からない」と正直に伝えてくれますので、雇用契約に関して問題になることは少ないです。

ただ、外部資金の種類によっては例えば2年毎に成果の評価があり、その評価次第で次年度以降の財源の金額が変更されたりますので、ボスからポスドクに対してプレッシャーがかけられることも珍しくありません。この場合は常に、今年度いっぱいでクビになる可能性があることを考慮しながら研究を進めていく必要が出てきます。

30-35 歳のポスドク等の 18%、36-40 歳の 32%、41 歳以上の 40%は海外での勤務経験をもちますが、安定した職の獲得には至っていません(2011年日本学術会議)。つまり海外経験があるからといって安定した職につけるとは限りません。

ポスドクの職は、極めて不安定です。楽観的な人でないと続けられないのが現状です。 

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