2016年3月2日水曜日

ポスドクをいつまで続けられるか

言うまでもなく人生のイベントの進み方は人それぞれですが、ここでは実例のある典型的なポスドクの人生の進行を例に考えてみます。

博士号を取得した時には27歳前後になっています。
ポスドク生活のスタートです。
これを機に、大学院生の時から付き合っていた彼女(彼)と結婚します。
新婚生活では共働き。
ポスドク3年目、30歳の時に、最初の子供ができます。
ボチボチな研究結果が出ますが、昇進するにはまだまだ成果が足りないのでポスドクを続けなければいけません。
小さな子供は夜泣きがひどくて、睡眠不足になりながら、研究を続けます。
家族が幸せそうで、何よりです。
ポスドク6年目、33歳の時に、二人目の子供ができます。

実はこの時点で、以下のいずれかがないと、ポスドクというポジションで生活していくのは大変厳しくなります。
  1. 特◯助教以外の助教」程度にはすぐになれる強いコネ
  2. CellかNatureかScienceのfirst authorの論文(もしくは数年以内に出る見込み)
  3. 妻(夫)が公務員や一流企業の社員など、収入と雇用が安定した職についている
  4. 財産がたんまりある

残念ながら、上記のいずれも手元にない場合、極めて不安定な身分であるポスドクを継続しながら、3歳と0歳の子供と妻(夫)を養っていくことは現実的ではありません。もちろん、強靭な精神と身体をもち、家族は貧しい生活でも文句を言わないのであれば、生きられるとは思います。しかし時間が経つにつれ、子供はどんどん大きくなるため支出は増え、企業などへの就職は難しくなっていきます。
 多くの人は、収入と雇用の安定した企業に就職することを考えます。ただし企業が積極的に採用してくれるのは、34歳までです。33歳で決断しないと間に合いません。

普通に結婚し、普通に子供ができた場合、「33歳のポスドク6年目」に何を持っているか。そこがひとつのリミットだと思います。 

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